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チキンサラダとローストビーフ

 ロンドンから小一時間、St.Albansのとある女性がお二人で住まわれるお宅に一週間ほどホームステイ
させていただいたことがあります。ご主人をなくされた後、仲の良いお友達と同居されたのだそうです。お二人とも仕事を持っていたので、朝食の後片付けと飼い猫のブーツ(足がブーツを履いているように白くなっているので付いた名前です)に餌をやるのが私の仕事。
ペット用の扉の付いた裏口からイギリス式ガーデニングの庭を自由に出入りする気ままなブーツに餌をやりながら、私はなぜか日本語で話しかけていました。ちなみに、バイトでスウェーデン人の赤ちゃんのベビーシッターをした時も、私は日本語で話しかけました! 閑話休題

 St.Albansへはコンクールを受けに来ていましたので、あちらこちらの教会で練習を終えるとカテドラルに併設されたカフェでお昼を取りました。「チキンサラダを食べなさい」と言われていて素直に食すも、コールスローにローストチキンが付いたような非常に簡素なもので、毎日こんな冷たい食事ばかりで…と少々滅入っていました。朝は、牛乳を先にカップに入れてから紅茶を注ぐミルクティ(産業革命で食生活に重きを置かなかった結果できたミルクティの入れ方?)とトースト、夜もスーパーのお惣菜売り場(やっぱりコールスロー!)で買ったものを食べることが多く、もともとイギリスの食事に期待はしていなかったけれど、なんだか心寂しくなっていくのは否めませんでした。一日だけホストのおばさんたちに誘われてギリシャ料理を食べに行ったとき、食事でかくも心豊かになれるなんて、なんと人間(私!)は単純な生き物だと実感しました。

 ところが日曜日。礼拝を終えてお二人と帰宅すると、さあ大変。庭にテーブルを出して、いつも使っているものとは別のちょっと贅沢な食器を並べ、イギリスの伝統料理、ロースト・ビーフやら何やらおいしそうなものが…ホストのおばさんが料理を教えているというのが、初めて理解できました。とても素敵な日曜日の過ごし方です。私はスイスに戻ってから、日曜日のお昼に使えるような繊細でかわいらしいスイス製のランチョン・マットを二人のおばさんにお送りしました。

聖歌隊は男性だけです!.jpgSt.Albansのカテドラル


香取智子 wrote|Date:06.10.30|コメント (0)

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