マロン、マロニエ、マロネット?
先日、秋田市千秋公園の入り口に『焼き芋』売りの軽トラックが停まっていました。焼き芋片手に秋真っ盛りの公園散策なんて、なかなか粋!…かしら?
私がこの時期になると必ず思い出すのは、焼き栗のこと。街に焼き栗(マロン・ショ)屋が現れてコルネ(円錐形に巻いた紙袋)一杯に焼き栗を入れてもらい、家に持ち帰って白ワインと一緒に食べました。これは吐く息が白くなりレマン湖の湖面が鈍色に変わる頃、暗い冬がやってくる前の年中行事。天津甘栗とはちょっと違うけれど、日本を思い出す懐かしい味でした。
パリの並木といえばマロニエ(セイヨウトチノキ)ですが、ジュネーブ大学に続くバスティオン公園には大木のマロニエの並木がありました。ここは私の通学路。初夏にかけて咲く白い花に爽やかな季節が巡ってきたことを感じ、やがてトゲトゲの実が鼻先をかすめて落下するスリルを味わうと、秋がやって来たことを知ります。
私はマロニエの実を、ずーっと“マロネット”(マロンの小さいやつの意)だと思い込んでいました。そう、ついさっきまで…この拙文を物すまで。 ところが、マロニエの実は“Marron d'Inde”(インドの栗の意)。なんと、20年以上もの長きにわたり私はこの間違いを知りませんでした!
これは、本をただせば私の師匠が私に教えたこと。師匠は「音楽」の師であっても、“正しい”フランス語の師ではなかったのでしょうか? それとも彼一流のウィットに富んだ表現だったのでしょうか?
謎のことば、マロネット。この正体やいかに…
秋色 いろいろ (撮影;千葉市、秋田市)
香取智子 wrote|Date:06.10.31|
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