社会
今年もお世話になりましたm(_ _)m
目の前の仕事や雑事に追われ、気づいたらもうクリスマス…
世界は昨秋からの経済危機から徐々に立ち直りつつありますが、日本ではL字型景気とか二番底とか、不安が募る言葉が飛び交っています。
話題になった事業仕分けでも、文化芸術に対してなかなか厳しい評価が示されました。
このままでは、日本のオーケストラが生き残れなくなる!と業界関係者はかなりの危機感を持っています。加えて、機内持ち込み手荷物制限問題でヴァイオリンが取りざたされ、ますます厳しい状況に追い込まれました。
スパコンや科学技術については間髪入れずに科学者たちの抗議が起こり、マスコミの報道を通じて世間の注目を浴びました。
が、文化芸術に関しては、私ですら「日本の音楽関係者はこの結果をすんなりと受け入れるのかな?」と感じるくらい、なかなか反対表明が出ませんでした。
それでも12月15日に締め切った文科省の事業仕分けについてのご意見メールには、科学技術、文化関係で13万4千件にのぼったそうですから、文化関係者の努力もある程度追い風になったのでしょう。
経済危機により、想像力とクリエイティブな産業が国の将来を支えると、音楽への補助金を増やしたフィンランドと同様に、とまでは言わないけれど、もうちょっとバランス感覚が欲しいですよね。
ただオーケストラの学校への派遣事業は、地域にあるプロオケがその地域一帯に行えばもっと効率的なのは確か。その辺は考えたほうがよいかもしれませんね。
色々なことを考えさせられた一年でもありました。
日本の将来像が見えない今、どのように生きていくのか、試練の時代を迎えた気がいたします。
また、来年もよろしくお願いいたします。

Norikoさんの今年のシュトーレン。有機栽培のシナモンパウダーとバニラビーンズを香り付けに使いました。イースト菌は『白神こだま酵母』、小麦は国産。
町のパン屋さんに「うちのシュトーレンと交換しよう!!」といわれているそうです。
メリー・クリスマス:*.;".*・;・^;・:\(*^▽^*)/:・;^・;・*.";.*:
香取智子 wrote|Date:09.12.24|
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小さなコックさん
東北地方は梅雨明けもなく、立秋を過ぎました。
豪雨、地震、竜巻と自然災害が容赦なく押し寄せてくる昨今。私たちが思っているよりもずっと速い速度で、地球環境が変化しているのでしょうか?
数ヶ月前、児童書の創作、翻訳をされている八木田宣子さんから『小さなコックさん』(講談社;文学の扉)という本をいただきました。
コックさんになりたい小学5年生のシゲオ少年が、夏休みに体験した、世界中の料理の料理がなんでも食べられる、ふしぎなレストランの物語です。
そこは小学生だけのためのレストラン。背が小さくて、身の丈ほどもあるような高いコック帽をかぶり、不思議なことに素足に下駄履きのコックさんが働いています。
そのコックさんは、8月13日に子供たちのためのパーティーを開くのですが…

私の両親は、いわゆる思春期の頃、戦争を体験しています。ですから、私は戦中戦後の食糧難時代の話、疎開の話、満州での話など、こどもの頃からずっと聞かされて育ちました。
母方の祖父は職業軍人で、私が生まれたときにはすでに亡くなっていました。祖母の家に行くと、丸いメガネをかけた若い祖父の写真が飾ってあり、私はそれをいつも不思議な心持ちで眺めていました。
戦争がなければ、祖父はもっと別の生き方をしたであろうことは、母の語る記憶から容易に察しがつきました。
前線には不向きな性格で主計科の将校となり、異国の地(当時は日本の領土であった)で没した祖父の人生を思うとき、国家という存在がそこに生きる人々に対して、いかに大きな力を握っているのかを感じます。
そして、それが暴走を始めるともう誰にも止められないことを、悲しいかな、今でも私たちは現実に目にしているのです。
『小さなコックさん』は八木田宣子さんの消えることのない戦争体験への思いが、その誕生のきっかけとなったそうです。
食糧自給率が40パーセントそこそこの国で、毎日膨大な量の食糧が廃棄されていく現実。一方で、飢餓状態におかれる多くのこどもたちが存在する世界のアンバランス…
『小さなコックさん』は、今もまだ生まれ続けているのかもしれません。
間もなく64回目の8月15日がやってきます。
香取智子 wrote|Date:09.08.12|
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こどもの成績、親次第?
先日、お茶の水女子大学とベネッセ教育研究開発センターによる家庭環境とこどもの成績に関する調査の結果が、朝日新聞などのメディアで報道されていました。(詳細は教育格差の発生・解消に関する調査研究報告書)
こどもの成績と家庭環境との相関関係。うすうす誰もが感じていることですが、あまり表立って語られないことだった気がします。
また、これらは最近問題となっている『こどもの貧困』、つまり親の経済力とも関係し、いくつかの要因が絡まりあった複雑な問題となっています。
資本主義社会は、行き着くところ格差社会を生み出す。この前提から出発したほうが、すべてがクリアに見えるような気がするのだけれど、これは厳しすぎるのでしょうか?

私がこういう『格差』に問題を感じるのは、すなわち文化に関する意識の格差にもつながることだと感じるからです。
人間は自分の身の回りの事象についてだけ心を砕き、日常を全うするだけでも人生に充実感を持つことができる人もたくさんいるかもしれません。しかし、さらにその意義、意味といった領域に立ち入るとき、哲学、宗教、芸術といったものにかかわることなく、思考することはできません。
自分の身の回りの事象以外に思いを及ぼすことができる、これが人間が他の生物と異なるところではないでしょうか?
成績上位のこどもの親は、こどもに外国語や外国の文化に触れるようにする傾向が見られるという結果がありました。つまり、自分の身の回り以外のことに目を向けて欲しいと願っているのでしょう。
文化や芸術に対する理解は、すべてここから始まる気がします。
この本質的な問いかけ、人々の人生に対する意識、こういう問題を置き去りにしていては結局何も変わらない気がする今日この頃です。

おまけ; 映画館のレディースデーを利用して、『天使と悪魔』を見てきました。セルン(CERN 欧州原子核研究機構)が登場しているので、とても楽しみでした。CERNでもこの映画について取り上げていて、“ストーリーの背後にある科学”という展覧会も開催されています。この映画を機に、物理学に目を向けてもらうひとつのきっかけとなるよう期待しているようです。
セルンはジュネーブとフランスの国境地帯にあり、世界最大の円形加速器が地下でうごめいています。
日本映画の上映会(確か『寅さん』っだったような…)があって、一度だけ中に入ったことはあります。が、ブラックホールができてしまう可能性まで秘めているといわれる施設は見たことがありません。(あたりまえか…)
映画の冒頭、いきなりセルンが登場。思わず、おおっつ!と喜んでしまいました。
ところで、CERNは、ブラックホールに反物質だけではないそうで…HTML,HTTP,WEbは、これらはみんなセルンが生み出したものなのだそうです!我々みんなセルンのおかげで、こうしてPCで作業できるのですね。
8月8日に、親子でパイプオルガンのパイプを作る(紙工作)ワークショップがありますが、そのパイプの型紙を考え、工作指導をしてくださる三橋利行さんも、実は日本のセルン、 あのノーベル賞を受賞した小林 誠特別栄誉教授の高エネルギー加速器研究機構の教授なんですよ!
香取智子 wrote|Date:09.06.02|
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Merry Christmas !!
気が付けば、もう年の瀬。師走ということばは、本当にこの時期をうまく表現していますね。

今年のNorikoさんのシュトーレンです!手作りの伊予柑ピール、ナポレオンとザルツブルクのキルシュヴァッサーに漬けられた贅沢なレーズン。とてもフルーティーなシュトーレンです。
今年一年を振り返って見ると、9月のリーマン・ショック以降、急激に世界を冷え込ませている金融・経済危機がとても大きな出来事だと思います。あっと言う間に世界中に失業者があふれる姿を見ると、今まで感じたことのない空恐ろしさを感じます。
経済や金融という世界とは無縁のオルガニストですが、この数ヶ月かなり真剣に勉強しました。そして利益の追求を至上命題として、複雑怪奇な金融商品を編み出してきた金融世界の異様な光景に、人間の欲望の果てを見たように思いました。
欲望が暴走するに任せた結果、世界は無秩序に陥り今の混乱を招いているわけで、本当に憤りを感じます。
しかしこの状態は、我々に何か新しい価値観を求められているのではないかと言う気もします。
地球を傷つけないエネルギーは何か、人間にとって都市化することだけが幸せか?、本当の豊かさとは何か…
今回の危機の震源地であるアメリカの次期大統領オバマ氏が、大統領就任式にリンカーンが就任するときに使った聖書を用いるとの報道がありました。これは、ヘッジファンドでも見られる原点回帰の動きに連なるものなのでしょうか?
人間がより人間らしく生きていくための、新しい価値を見出すことができるのか…
私たちは注意深く見守っていくと同時に、皆が考えなければならないことなのかもしれません。

それでは、皆様良いお年をお迎えください。
香取智子 wrote|Date:08.12.23|
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懐かしの立川に行きました
先日、国立音楽大学の附属図書館に行きました。
数年前に大学主催のコンサートに呼ばれ、変貌した立川の街を目の当たりにしていましたが、今回はじっくりとその姿に触れる機会に恵まれました。
附属図書館は、大学院、音楽研究所、楽器学資料館といった最もアカデミックな部門が集まる建物にあります。
夏休みに入り、学生の姿はちらりほらりと見受けられる程度。静かな緑深いキャンパスを横切って目的の建物に入ると、いきなりゲートで遮られました。私が学生の頃にはなかったものです。

図書館を眺める
磁気カードの利用証がない私は、インターフォンで話して入れてもらいました。
すぐに、利用登録をして磁気カードをもらい、早速資料検索。
以前は、検索用のカードが入ったケースがずらりと並んでいたところに、今は何台もの端末が並んでいます。
書籍から楽譜、AV資料までその端末で検索できるので、とてもスピーディーに必要なものを見つけ出せます。そして、クリックして利用者番号を使ってログイン、予約完了!
あとはそれぞれのカウンターに行って利用証を出せば、予約した資料が手元にすぐ届く!
また、Web上で資料を検索し、それが貸し出し中であるかどうかも確認できるので、無駄に足を運ばなくて済みます。その上、館内で他館の資料を検索できるので、どこに資料が存在するのかまで確認できます。
なんで、こんなことを詳細に記すのか? と思われるかもしれませんが、この図書館のネットワークは、資料を探し出すという時間を飛躍的に短縮させました。
私たちが学生の頃には、資料を見つけ出すことだけでも一苦労だったのですから… 進化する図書館って感じです。
でも、音楽辞典などを置いてある閲覧室は昔のおもかげをそのまま残していて、懐かしさを感じながらそこで心ゆくまで時を過ごしました。
それに、私が学生の頃からいらした司書の方も、まだ健在。ちょっとうれしかったです。

音大1号館
夕方まで図書館で時間を費やし、多摩都市モノレールを使って玉川上水から立川に戻りました。なんて便利になったのでしょう!! またまた感動です。
翌早朝、酷暑の東京にしては涼しい日でしたので、小一時間ホテルの周辺を散歩しました。
私が学生の頃、まだアメリカ風の宿舎が残っていた広大な米軍基地の跡地。陸上自衛隊立川駐屯地は記憶の底にありましたが、あとは空き地だったと思います。
そこが、今や国営昭和記念公園、立川広域防災基地などに生まれ変わりました。
非常時に内閣府や東京都の機能がダメージを受けたときには、国の重要な機能をになう場所となるこの一帯。
内閣府の名前の入ったパラボラ・アンテナ。周辺には災害医療センター、日赤血液センター、警視庁、消防庁の建物もあり、来るべき時をじっと待ち受けている感じが、ひしひしと伝わってきます。
広域防災基地前の4車線道路も、両端にマロニエなどの街路樹が植えられた幅広い歩道を備え、さらに幅の広い中央分離帯にも街路樹が植えられています。
炎を遮断する意味合いがあるのだと、すぐに気づきました。
市民たちが、ウォーキングや犬の散歩でのんびりと散策するこの気持ちの良い道路。災害時、果たしてどのように変わるのでしょうか?
私は変わらぬ日常がずっと続くことを祈りながら、今この時間をいとおしむかのように、ゆったりと歩いていったのでした…
香取智子 wrote|Date:08.08.08|
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オルガニスト、今度は食糧問題を考える
最近、夕餉の食卓になぜかポトフやブイヤベースが並んでしまいます。
ポトフは塩漬けの豚肉作りから始まる本格的なものですが、ブイヤベースは市販のfumet de poisson(魚のだし)を使う手抜きをします。(さかなを扱うのが結構苦手なのです!)
ところで、こういう食事だとどうしてもパンやじゃがいもが主食になります。一日中お米を食べなくても平気な体になってしまったのは、ヨーロッパに住んでいたせいなのですが、それにしても…
昨今の『食』をめぐるさまざまな事件。人間の活動を支える『食』が見直され始めています。
今から20年以上も前、私の師匠(故人)はコンクールの審査員などでよくヨーロッパに行かれ、帰国後、授業でヨーロッパのオルガンの事情についてお話をされました。
その中で、強く印象に残ったのは「フランスを旅すると、都市を離れるとすぐに広大な農地、放牧地が広がってくる。かの地が農業国であることを実感するとともに、今の日本に不安を感じる」という意味のことでした。(音楽のことより印象に残るとは…とほほっ)
師匠は太平洋戦争の体験者であり、戦中戦後の食糧難時代をかいくぐって生き抜いてこられた方です。その言葉の裏には、体験した人のみが持つリアリティがありました。
かつて山国スイス、ドイツやフランスの内陸部は、冬季に果物や新鮮な野菜、そして魚類などは手に入らないところでした(マスやコイなどの淡水魚は食べていましたが)。ですから、保存食としてジャガイモやザウアークラウト、塩漬け肉、スイスでは干し肉などが発達したのでしょう。当然のことながら、ポトフとブイヤベースが同じ家庭の食卓に上るなんてことはありえなかったのです。
現在では、スイスでも季節によらずイスラエル産のJaffa Orangeが入ってくるので、冬でもオレンジが食べられますし、当たり前のようにサラダも食べます。マルセイユ経由で新鮮な魚類(日本の魚を知っていると新鮮?かどうかは疑問です)も入ってきます。私のいたジュネーブは国際都市ですから、日本人向けに刺身用のまぐろの入荷情報が流れたりもしました。

この自給率はどのくらいかな?
こんなスイスの食料自給率はと、農林水産省のHPから調べてみたところ…
やはりこの小国は、周りの国々に比して食料自給率は低いところでした。それでも、50%…(ちなみにわが国は39%…先進諸国で最低です)
永世中立国としての厳しさを背負っているこの国は、家々にはシェルターとして機能する地下室を持ち、国民皆兵制でも知られています。食料は各家庭でも2ヶ月分は備蓄するよう指導されているそうです。食料自給率を維持することは国民的な合意で、危機が生じた場合は国内生産を増大することができるようになっているそうです。
備蓄された小麦を放出しながら日々のパンが作られるため、スイスのパンはまずい!!と云われています。(本当にまずいです。フランスに行くと小麦の香りの漂うパンにありつけて幸せでした)
九州とほぼ同じ面積の小国の意識は、平和ぼけした日本人とは根本的に異なるもので、外国人として住んでいた私たちにも肌を通して伝わってきました。
っと、いささか食料問題から離れて行きつつありますが、やはり外国頼みで自国の国民の基礎になるものを賄うというのは、ちょっと怖いですね。ミシュランの星がたくさんついている日本は、今現在!という限定付きで、世界の国々から最高の食材を入手できる環境にある、ということなのかもしれません。
P.S.
9日(日曜日)、テレ朝の『サンデープロジェクト』で食糧問題を取り上げていました。
衝撃的だったのは、水不足が今後のキーワードになることでした。地球上の水のほとんどは海水、わずかな真水を使って食物は作られています。アメリカの穀物栽培は、通常なら植物の生育に適さない地で、地下水をくみ上げ、スプリンクラーで大量の水を撒いて栽培されています。
世界の人々が快適な生活を送るのに必要な水の量が、すでに地球の限界に達しつつあるという現実。
どうなるのかなぁ!?
香取智子 wrote|Date:08.03.04|
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古墳団地は、現代の高野山?
先日、仕事で河内に行きました。
巷でうわさの、自転車のハンドルに傘を付けて疾走するおばちゃんの姿も発見。どうもあれは法律違反らしいけれど、関西のおばちゃんパワーはそんなん関係なーい。
『玉出』というすごいスーパーも発見。一瞬『出玉』=『パチンコ』?と思いきや、関西界隈では有名なスーパー・チェーン店らしい。


とはいえ、この電飾! これはまだまだ、大人しい方らしいけれど、エネルギーを感じまっせ。ほんまに…
っと、いきなりの関西パワーに圧倒されつつ、ヤマトタケルのような神話に登場する古代の偉い人のお墓が集まるする地を、半日ゆっくりと案内していただきました。
それにしても、古墳がこんなに集中的にある場所というのは初めての体験。ただの森のように見えるところが実は小さな古墳だったりするけれど、人々はなんの不思議も感じないで、古墳の周囲に家を建て生活している。さすがに、応神天皇陵古墳クラスになると、宮内庁により厳重に管理されているけれど、
古代人たちはこの辺りに自分の墓地を作ることがステータスであったのだろうか。それは、まるで現代の高野山のよう。
古代と現代が不思議な共存を見せる街でした。
応神天皇を祀ってある神社
鳥居の奥の森のようなところが応神天皇陵
香取智子 wrote|Date:07.12.13|
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